TVなどでスーパークロスやモトクロスの豪快なジャンプを見て、
スタジアムなどで行われる本場のスーパークロスを見ると、
TVなどでは感じなかった次元の驚きと人間業とは思えない様なプロレーサーのテクニックに唖然とすると思います。
モトクロスの経験が無い方は、あの豪快なジャンプは、かなりの部分、あてっずぽうで飛んでいると考えている方が多々おられますが、
実際には、計算されつくされた頭の中でのイメージと、それを実現させるための体力とテクニックの終結です。
こういわれてしまえば、ゴルフ、テニス、野球と同じような事が言えると思えますが、なぜかモトクロスのジャンプについては、
あまりにも、あてっずっぽうでプロレーサーがジャンプを飛んでいると考えている方がいるのが現状のようです。
スーパークロスのコースレイアウトは、物理の法則を考慮されたコースレイアウトらしいですが、こう聞かされると、
なんだ、誰でも飛べるのかと言う錯覚が少しちらつきますが、実際は、失敗すると、かなり負傷してしまうほどの大ジャンプもありますよね。
物理の法則と数学的な知識が必要ですが、ベクトル、ジャイロの法則、物を投げた時に描く放物線、僅かな体重移動のマシンの重心とコントロール、加速度、、、
と、色々と知識として頭に入れてジャンプに挑んだ方が、イメージ通りのジャンプになりやすく、かつ計算されつくされたジャンプになると思います。
実際は、ジャンプする度に頭の中で毎回、考えている訳ではありませんが、初めてジャンプするジャンプ台は、ほとんどのプロレーサーは、飛ぶ前にかなりマシンの挙動や飛距離、
速度をイメージしてジャンプに挑んでいる事と思います。
ジャンプは、ほとんど離陸直前のマシンの速度、リヤサスペンションの沈み具合、ライダーのトラクションのかけ方、マシンに与えるベクトル方向で決定してしまうと思います。
スーパークロス的な、斜面の急な勾配の急なジャンプの場合で着地も急こう配の下りにマシンを着地させる場合のジャンプで考えると、
基本的にリヤサスペンションが深く沈むようにライダーは重心を後ろ側リヤに荷重し、アクセルはパッっと開けて急加速させます。
この動作で、かなりリヤサスペンションは深く沈み込みます。
このまま離陸すると、前転してしまう危険性があるので、離陸前にパンケーキできるようにマシンを寝かせる為に逆ハンドルの体性の準備もしています。
なぜ、パンケーキさせるかと言うと、リヤサスペンションが離陸と同時に一気に伸びてマシン事態は、かなり上方向のベクトルへと力が加わり過ぎるのを横方向へと力のベクトルを逃がし、
空中であまりにフロントが大きく下がり過ぎて前転しまわないようにマシンをコントロールします。
しかし、レース中は一人でのタイムアタックではなく、他のライダーが操るモトクロッサーとの競争ですので、ジャンプの進入速度や、離陸する縦と横の角度、アクセルの開け具合などが
微妙に違ってくるので、ジャンプのベストイメージから実際のマシンコントロールにズレが生じた場合は、アクセルを開けてフロント側を上げたり(ジャイロの法則)、
リヤブレーキをがつんとかけてフロントを下げたり(ジャイロの法則)、体重を微妙に移動してマシンの重心をコントロールさせてベストイメージに近づけます。
だいたいのプロレーサーは、このような事を、ぐだぐだと頭で考えずに一瞬でやってのけてしまっているので、
観戦を楽しんでいる方の多くは、あてずっぽうでジャンプを飛んでいるのかとおもわれる方がいます。
モトクロスの難しさは、マディーコンディションでモトクロスのコースをモトクロッサーで走ってみると一目瞭然ですが、
腕自慢ならば、大怪我をしないようにマディーコンディションでモトクロスの難しさを味わう事も必要かもしれません。
ロードバイク、オフロードバイクとも両方楽しむ方の多くは、やはりオフロードの方が低い速度で、
マシンコントロールの基本が学べるので上達が早いと考えているライダーや監督が多い様です。
マイケル・ドゥーハンというプロレーサーがいましたが、ダートコースの練習を取り入れてロードバイクレースで、長い間、活躍されたライダーもいます。